雉に鳩に鹿に熊に鴨!そして、ながーい(笑)。

お正月を迎えたと思ったら、成人式も終わり、
今週末はセンター試験。
いつもなら一宮でも雪の心配をする頃ですが、
降る気配も感じないですから今期はやっぱり暖かいですね。

暖かいと確かに過ごしやすいので体は楽なんですけど、
なーんか気持ちが落ち着かなくてソワソワ。
あるべきことがあるべきタイミングで起こってくれないと、
なーんか心配になるといいますか。

でも、この先これが続けばいつしかこれが普通になって、
慣れてしまうのでしょうね。
ここ2、3年の夏の異常な暑さも、
こんなもんでしょ?って、なっちゃってますもんねぇ。


さて!

そんなこんなの1月中旬ですが、
やっと仕込みが追いついて、メニューも一気に猟期っぽくなりました。
ただ、今期は猪と岐阜の鴨がいないから本当に寂しいですが、
それでも少しは楽しんでいただけるかなぁ?と。

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猟師さんから届いた雉(キジ)をポルペッティーネ(小さなお団子)にして、
ストラッチャテッラ(卵とパルミジャーノチーズのスープ)に浮かべてます。
お出汁の味と、保存しておいた岩手の天然アミタケの食感も良く、
優しいお味のスープは、おなかの中から温まります。
仕上げのクラタペッパーさんの黒胡椒がとても良いアクセントに!

もともと雉はとても身近な鳥だったのですが、
今では全く見かけなくなりましたね。
小さい頃は家の周りでケーンケーンって鳴き声を
よく聞いていたように思います。

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これは山鳩のメッツァルーナです。
去年はリゾットでしたが、
今期は猟師さんから届いた山鳩をパスタでお出しすることにしました。

メッツァルーナは半月のかわいい形をしたラビオリです。
もっちもちな食感がたまりません〜っ。
ウチのニョッキが好きな方には堪らないパスタではないかと!

シンプルにお野菜と、少しだけ杓(しゃく)のサルサヴェルデを添えてます。
杓はセリ科の野草で、甘酸っぱいソースに仕立ててます。

あ、もちろん、猟師さんのネックショット、ヘッドショットを活かした
焼きの分もちゃーんとありますからね。ご安心を〜♪
雉も山鳩も鴨も状態よく届けてくれるので、本当に感謝です!!

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これは、北海道の蝦夷鹿のロースト。
しっかり肉味があるのにさっぱりなのでパクパク食べれちゃうし、
鉄分が多くて高タンパクなのに、カロリー控えめで嬉しいですよね。

昔に比べて鹿肉は定番と言っていいほどメジャーになりましたよね。
今は1年通して駆除もあるからか、
ジビエという感覚が良い意味で無くなっているように感じます。


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そして、月の輪熊のスカロッピーネ。
薄切りにした熊肉をグリルするシンプルなお料理なので、
熊をダイレクトに楽しんでいただけると思います。

とにかく硬い熊肉ですが、
昔は大根と煮込んで食べることが多かったようですね。
それをヒントに熊の煮込みソースのパスタは
大根も一緒にその時のお野菜たっぷりで煮込んでますが、
メインではこのスカロッピーネでご用意しております。
熊肉は薄切りでもしっかりと食べ応えがありますよ!

熊は脂をいただくお肉なので、
たっぷりお野菜とザワークラウトに、
セイヨウカラシナの塩漬けを添えてます。
香り良く、お召し上がりいただけると思います。

よく、クサいですか?って聞かれますが、
ウチにある月の輪熊は全くそんなことはなく、
とても美味しいし、何より食べ終わりも軽いですし、
じわっと体が熱くなるような、
私たちは、本当に美味しいお肉だと思ってます。

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天然鴨の炭火焼きです。
この写真は大鴨と言われている大きなサイズの鴨で、
青首鴨(真鴨)と軽鴨がいます。
大鴨は胸肉だけでも結構な大きさになるため、
1皿を半身分でご提供させていただいてます。
ササミは竹串に刺して、
硬い部位のモモと手羽のコンフィは1つずつ添えてます。

中鴨は、尾長鴨・葦鴨・ヒドリ鴨などがいます。
この辺りは大きさもマチマチなので、
お好みで1羽にしたり、半身にしたりして選んでいただいてます。
中鴨はモモや手羽も炭火で焼いて、
ガシガシ召し上がっていただくような仕立てになってます。

そして最後は小鴨。
小鴨は鉄砲の猟師さんにも分けていただきますが、
岐阜の網どりの猟師さんからも分けて頂いてます。
ちなみに小鴨は小さい鴨という意味ではなく、
小鴨という種類になのですよ〜。

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小鴨は他の鴨よりもさらに体が小さいこともあり、
胸肉の炭火焼きを鴨肉の煮込みで炊いたリゾットと一緒に
お召し上がりいただいてます。
このリゾット、じんわりと染み込むような優しい味わいなんですよ!

良い食材と思うものは、
優しい印象のものが多いと常々思ってます。
逆に飛び抜けて味のあるものって、
その一瞬は美味しいですけど何故か食べ疲れることもあって...。
ワインでもそうなんですけどね。

食べること、飲むことから、
本当にいろいろなことを考えさせられます。


今期は、この気候もありますが、
豚コレラの影響もすごく受けていたり、
「いつも通り」が全く通用しない時間を過ごしてます。
逆に自分たちの「いつも」を改めて考えるキッカケになったり...と、
悪いことばかりじゃないですが、
それでもやっぱり、いつもみたいに仕事に追われてないので、
寂しいなぁ...と思う気持ちが強いです。

とにもかくにも、
岐阜の猟場がお休みなので去年のようにはいきませんが、
それでも猟師さんが頑張ってくれているので、
ひとまず今のところ、食材を切らすことなくお出しできているのは
嬉しいこととして、とても感謝してます!

このところ、何やら気になることが多すぎますが、
ひとまずはみんなが元気でいられるような、
ちゃんとしたお食事を提供できたらいいなぁ...と改めて思う日々です。

ここから確定申告が終わるまでの間、
また更新が滞りそうなので、
今回の投稿がかなーり長文となってしまいました...。
最後までお付き合い、ありがとうございました!

とはいえ、
InstagramやFacebookでプチ更新はしていきますので、
どうぞよろしくお願いしまーす!





by gcpt | 2020-01-15 15:58 | お料理(食材)のコト

楽しい料理と自由なワインのある草食系食堂ゴッチャポントです。ブログではディナーでお出ししている食材やお料理を中心にご紹介してます。


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