ジビエなお話(1)

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猟期が始まる11月は「ジビエ、ありますか?」と、食材のお問い合わせが多くなります。今は種類によって11月の初めから始まる猟期。ただ、ゴッチャポントの場合、食材がしっかりと揃ってくるのは「お正月明けの1月頃から」だったりします。その理由はとても単純で、猟が始まったから...と言って、どの食材もすぐに獲れる訳ではないからです。タイミングを合わせられる食材とそうでない食材とあるのです。

例えば、網猟(あみりょう)の鴨たち。お米をまいたりする下準備は猟期前からされている為、網を引くタイミングさえ合えば11月15日からしっかり捕まえる事が出来ます。イノシシや鹿もタイミングはイロイロありますが、1年を通して駆除もあるので、入荷が無い〜〜〜ってことにはなりにくい食材です。

ゴッチャポントでは、比較的安定して入荷する「鴨・鹿・猪」がジビエの主軸になります。そんな主軸たちでも、11月と12月ではお肉の様子が違いますし、1月や2月でもやっぱりお肉の様子は違います。その時々、更には個体差もバッチリあるのがジビエですから、1つとして同じ味わいではなく、獲れた場所、獲れた時期で味わいがすごく違う場合があります。(厳密には誰から頂いたか...というのもあります)

今年の11月に分けて頂いた美味しい新潟の鴨たちも、12月になると更に脂がのってきます。どちらが美味しい...ってことではなく、この辺りも好みですし、その個体差、季節を感じられる事が楽しみだと思います。

イノシシも、獲ってくれる猟師さんと、その猟師さんの猟場で随分と様子が違ってきます。猟場でさえ、その年その年での変化があり、その年の良い猟場の猟師さんから届く猪は芸術的な美しさがあったりもしますから、イノシシを「イノシシ」と一括りにする事が出来ません。

そして、山鳩やキジなどの鳥たちは猟が雨の日に行われる事が多い為、猟期に入ると「雨ふれ〜〜〜、雨ふれ〜〜〜」と私たちも天気予報とにらめっこが続きますし(受け取る為の準備もありますからね〜)、熊も熊と猟師さん次第ですから、「熊さん、来てー!お願い〜!!」と神様に願うぐらいしか、私たちにはできません。

そして、待ちこがれた食材が無事に到着してからも、そのお肉の個性や、それを踏まえてどんなお料理に仕立てて行くかをしっかり把握するまでに時間がかかり ます。個体の月齢が大きい場合や、筋繊維の強い個体などは、お肉を状態良く保存しつつも、その食材の部位ごとに何に加工するかを考えたり、筋繊維を解したり...と、時間がかかる仕事だったりします。

ランチ、ディナーの営業とその仕込みなどの日々の営業と並行してこのような作業をしていきます。連絡があればすぐに取りかかれる準備を整えないといけない訳ですから、猟期は本当に気を張って過ごしてます。ただ、こういう経験はいろんなことを考えるキッカケになりますし、そのキッカケからグっと成長できた!と感じる事もあるので、やっぱり体は辛くとも心は満たされる事が多く、うっかり楽しくなってしまうのですよね(逆もありますけどね...笑)。

そして、猟期にイチバン思うのは、いつもある程度の安定を保障してくれる飼育食材の生産者さんたちの事です。ほんの数ヶ月の事でもこれだけの自然界の個体差を感じていると、自然やその生き物の「生」を尊重しつつ(←ここ、とても重要です!!)しっかりと飼育してくださっている生産者さんたちのご苦労を感じ、それを頂ける事へ、感謝しても感謝しきれない...、そんな食材を手に取る事が出来る私たちは幸せだなぁ...と。そして、ここでまた、うっかり楽しくなってしまうのです(笑)。


と、長くなりましたので、続きはまた今度。

さて、今日は鴨と山鳩が届くので、ランチ後は3人で毛毟りに勤しみます。今季初の山鳩、楽しみです!!


※ 少し前の岐阜の山(愛知県より)は紅葉が進んでいて絨毯の様な山々!とてもきれいでした。やっぱり青空が似合いますね〜♪





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by gcpt | 2017-12-08 08:44 | お料理(食材)のコト

楽しい料理と自由なワインのある草食系食堂ゴッチャポントです。ブログではディナーでお出ししている食材やお料理を中心にご紹介してます。


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