2016年 10月 30日
オナガ。(鳥じゃないよ、魚だよ〜)

先日のオナガ。
切り身の断面がお肉みたいでしたが、焼いてもやっぱり凄かった.... 。皮がヤバかった....。テーブルまで運んでいても、なんだかため息が出ちゃいます(笑)。

オナガは大きくなればなるほど、美味しいとされているお魚。今回のも結構な大きさで、お魚を見て「美味しそう〜〜〜!」とテンションがあがると共に、ウチのシェフの緊張も増して行くのです。(笑)
都屋の中村くんという魚屋さんの手を通る天然鮮魚を扱うようになってからというもの、そのお魚達の個体差に「このコはどうしたらイチバン良い美味しさに持って行けるんだろう?」と、1個体ずつ考え、経験を重ねつつ、さらに考えての繰り返し。お魚を買う時にしてくれる海のお話の段階からヒントを得るような感覚さえあるようで、少しずつ、少しずつですが、いろんな経験を積ませて頂いてます。(まだまだ、まだまだまだ〜な感じですけれど!)
そして、この頃、改めて思うのが、お魚が大きくなるのには、偶然と必然が絡み合いつつも、やっぱり個体の強さがイチバンの要素なんだなぁ...と言う事です。
例えば、鯛。小さい鯛はすぐに死んでしまう。だから、大箱でザックリ買われて行き、すぐに処理して料理になる。逆にそうでないと、身が死んでしまうので使い物にならない。要するにとても弱い。
でも大きな鯛はずっと生きている。締めるのだから生物的には死んでしまっても、ちゃんと処理のされている鯛は身がずっと生きている。その後の熟成にも耐えうるし、ねっとりと、死後硬直が解けると旨味が増すので美味しい味の数が格段に増えていく。それはもう甘く美味しいお刺身となる。
この辺りのお話は熟成肉を扱っていらっしゃる中勢以の中謙さんやその農家さんの木村さんに教えてもらったことにとても良く似ていて、「生きる力が強い」ということを改めて考えさせられる日々です。
お野菜もお肉もお魚も、みんな何か知らの意味を持って生まれてきたもので、全てに命がある。それを感じながら仕事ができることは、大変でもあるのですが、やっぱり、どこまで行っても、とても幸せなことですね。
こうやって仕事をさせてもらえる事は、本当に感謝の日々です。
by gcpt
| 2016-10-30 09:05
| 日々の出来事