篠山の但馬牛

ちょっと前の事ですが。

6月に兵庫県の篠山へ行ってきました。
中勢以さんが信頼を置いている牛飼いの木村さんに会いたくて。

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「ここにいるウチは、愛情をいっぱい注いであげたい」


そう言った木村さんのトコロの牛達は、とにかく人懐っこい。
そして、とても落ち着いていました。

それだけ、木村さんは牛に手をかけているのです。
手をかけているから、牛が人をいいものだと認識している。


中勢以の奥さまのご実家も牛飼いです。
気のせいかもしれないのですが、奥さまは牛の飼育の話になると、

「健康、健康っていうけど...」

ちょっとだけ、いつもの笑顔が消えるような気がするのです。


健康って言葉は、家畜の牛には使えません。
だって家畜ですから、たくさんお肉を取る為に大きく育てたいんですよね。
大きく育てる為に、太らせる訳です。
人間だって太れば、病気にかかりやすくなりますよね。
それは当然の事なんです。

反対に、母牛は痩せているのだそうです。
そりゃそうですよね。出産にはむだなお肉は必要ないですもの。


確かに、食べているお肉は、家畜です。
頭では分かっているのです。
でも、家畜ですが、生き物なんです。
食される運命は変わりないけれど。

健康って幸せの代名詞のようになってて、
そうでない事への罪悪感を、どこか背負っているような。

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そういった事をふまえて、

「この命をいただくのだから、精一杯、可愛がってやらないと。
 そして、感謝して食べてやらないと」

と、木村さんは言います。
精一杯、可愛がって、精神的に安定した牛を育ててらっしゃる木村さん。

木村さんにお会いして、
なぜか、すごく安心することができました。
愛情をいっぱい注がれた牛達が、私たちの命となる。

美味しい牛をたべてもらいたいと思って頑張っている木村さんの愛情と、
そして、その木村さんの気持ちを受け継いで、
熟成させる中勢以の加藤さんの愛情も一緒に、
お肉に宿っているのですね。

だからこそ、

「美味しい食事をありがとう」

そういってもらえるように、私たちも努力しなければ!
そして、そのお客様の想いを、生産者の方に伝えなくては...と思いました。

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上手く言えないけど、
木村さんと木村さんの奥さんの心がとっても素敵で、ピュアで、
牛達と同じように、私達も木村さんに癒してもらった気がします。

ありがとうございました。
そして、これからもよろしくお願いします!
by gcpt | 2011-08-05 07:57 | 日々の出来事

楽しい料理と自由なワインのある草食系食堂ゴッチャポントです。ブログではディナーでお出ししている食材やお料理を中心にご紹介してます。


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