カンティーナ・ジャルディーノ/ヴォルペ・ローザ 2008

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カンティーナ・ジャルディーノ
   /ヴォルペ・ローザ 2008


樹齢60年のコーダ・ディ・ヴォルペをつかったロゼ。
60年って、私よりかなり先輩です(笑)。

酸化防止剤も無添加ですが、ネガティブな要素はなく、
心地よく飲み進みます。
果実感、アタックや後味などなど、全体的にスムーズ。
赤くまったりした果実感が、すごく好きです!


カンパーニャで6人の仲間が共同出資して始めたワイナリーが、
この「カンティーナ・ジャルディーノ」。

タウラージ生産地域のブドウ栽培農家の間で、
「新しく畑を仕立て直す農家対象の助成金を得るために、
高齢樹のブドウを抜いて行く」という現状に危機感を覚え、
2003年からワイナリーとしてワインの生産を始めた。


どういうことかというと。

樹齢が古いと1本の樹になるブドウの数が減り、生産性が悪くなる。
若いブドウは1本の樹に沢山の実をつけるから、
生産性が上がるように感じ、魅力的なのだと言う。

たくさんブドウはなるし、助成金ももらえる。
なんてハナシだったら、そりゃあ、植え替えるってもんですよね。

でも、樹齢が古い樹の場合、
1本の樹になるブドウの数が減るという事は「凝縮感」に繋がるし、
根が地下に深く張り、吸収する養分を複雑になるし、ブドウ自体も強くなる。
(ブドウが健全な場合の話ですが.....)
ということは、「おいしいワイン」になるということ。

ブドウが安く買い上げられるようになって、農家さんだってツラい。
だから、自分たちの生活を守りたいと考えるのは当たり前だと思う。
ちゃんとした対価を与えられなければ、
やっている意味もなくなってしまう。

日本の農業にも言える事。
食べ物を作ってくれるのに、値段をたたかれる。
不当に高い値段を払えって言っているんじゃなく、
生活できるぐらいの価格での取引が必ず必要だってこと。

どちらにしても、どこの国でも農業が軽く見られている現状。
もっとシビアになる必要があると思うのだけど....。

そんな中、カンパーニャのブドウを守ろうとしているのが、この6人。
伝統を守る事の大切さを農家さんに伝えたいと、
歩留まりの悪い樹のブドウは、ちゃんと高く買い上げる。
もともと畑に科学的な薬を使っていなかった農家さんに、
しっかりとした農法を依頼し、
ブドウを売っていただけの農家さんは、
醸造・マーケティングについてを教えてもらい、
双方のレベルが上がって行くのだ。

そうやって頑張っているカンティーナ・ジャルディーノ。
年々、ワインに質が良くなって来ています。
高く買い上げるなんて言ってますけど、
それでも、この値段で提供できるって、
すごくコストパフォーマンスが良いワインだと思います。

ゆる〜くて、でも心地よくって、やんわり包まれる感じ。
暑い日にチョイ冷えでクイ〜って(笑)。
前菜をつまみながら、お友達とワイワイ。

オッキピンティのSP68にも共通する感じの、
「何も考えずに、気分よく楽しめる」ロザートです!
by gcpt | 2010-07-25 08:12 | イタリアワイン

楽しい料理と自由なワインのある草食系食堂ゴッチャポントです。ブログではディナーでお出ししている食材やお料理を中心にご紹介してます。


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